胡蝶の夢見心地:予備校講師のつれづれ日記

気ままに生きている予備校講師が、大学受験のことから読書、人文社会系の学問、日々の雑感まで書きすさびます。受験の話は、国語、英語、関西圏の大学入試のことが多め。

【解答速報】2021年度 東京大学 国語【一】現代文 松嶋健「ケアと共同性」

 数ヶ月ぶりに思い立ったように投下してみます。超速報版。各予備校の解答速報出てからコメントとか追記します。

・一行30字、せめてなんとかして二行70字に抑える方針で(受験生は気にせずいっぱい書きましょう)。
・国語を全問通しではやってません。だいたい60分くらいかけてます。

(一)
医療や家庭、社会から排除された感染者たちが、病状や生の意味、身体に対する相互的な配慮を通して絆を深めたということ。(57字)

(二)
福祉国家の安定を優先し、精神障害者を脅威として排除するあり方から、彼らに寄り添いその生を地域共同で支えるあり方への移行。(60字)

(三)
患者が自己の欲望に従って治療法を主体的に選ぶことは、私的所有に基づき自由を行使できるという近代的個人概念に立脚するということ。(63字)

(四)
ケアは患者の感覚や情動を重視し、協働的に身体を世話する点で、自己の身体を所有し主体的選択を行う個人や福祉国家に意義を見出す近代的世界観ではなく、養生に関わるあらゆる事物や他者、環境に身体へ働きかける力を認める有機的世界観に通じるということ。(120字)

(五)
a診察 b諦 c羅針

【解答例】2012年度 東京大学 国語【一】現代文 河野哲也『意識は実在しない』

 どうも、お久しぶりです(毎回言っている)。

 その昔、現代文の良問のススメ、ということで記事を書きました。

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 気が向いたら模範解答を投下する、と言いつつ、幾星霜・・・(毎回言っている)。というわけで、ついに気が向いたので投下することにしました。

 今回は、2020年度東大の各予備校の解答例の吟味みたいに丁寧ではありません。私の解答例を挙げておくだけです。時間ができたら(別に忙しいわけではないのですが)、各予備校の解答例の批評・分析も追記しようと思います。

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【解答速報】2020年度 東京大学 国語【四】現代文 谷川俊太郎『詩を考える―言葉が生まれる現場』

 25日、26日と、2020年度の東大国語【一】現代文、【二】古文、【三】漢文と解いてきました。

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 残るは文系の【四】です。これは結構難しいし読んでいても解いていても楽しい。正直、東大【一】の小坂井敏晶とか、どの著書でも言ってることは同じようなことなので真新しさとか発見はありません。こういう文学的な内容のほうが、時代を超えた興趣をそそるものを備えています。京大の2019年度【二】大岡信谷川俊太郎の対談の問題とも通じてくるような内容ですね。

※こちらも参照(ただし、現在その2までで放置されています(笑))

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 解き終わってから、【一】~【四】まで各予備校の解答速報を見てみました。【一】についても何かコメントしようかと思いましたが、さほど面白いこと言えなさそうなので、とりあえずこの【四】を。

 予備校間でけっこう割れますね。私の解答例と、今回は【一】より詳しめのコメント、必要に応じて各予備校の解答速報の検討も行いたいと思います。

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【解答速報】2020年度 東京大学 国語【二】古文『春日権現験記』 【三】漢文『漢書』

 先日は、2020年度の東大の現代文【一】をやってみました。

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 これに続いて【二】古文、【三】漢文もやりました。

 最近は現代文メインで教えていますが、実は受験生時代からずっと古文漢文のほうが得意です(東大、京大の大学別模試で古文漢文は8割~満点くらい)。ただ、国文学出身ではなく、語源や文法学もアカデミズムの専門的なことは何も知らず、専門で教えるのには気が引けたため、古文漢文をメイン指導科目にしませんでした。というわけで、以下で示されているのは、国文学徒でも専門家でもない、強い受験ゲーマーの視点で解いた結果です(笑) そのへんを承知のうえで読んでください。直感や嗅覚を利用しています。専門的に見て誤りなことを言ってるかも。

 古文も漢文も文章は簡単。問いも簡単。結局、どれだけ上手くまとめられるかですね。例年よりやさしめだと思います。

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【解答速報】2020年度 東京大学 国語【一】現代文 小坂井敏晶「『神の亡霊』6 近代の原罪」

 最近バタバタしていて、ほぼ更新していませんでした。気づいたらあっという間に国公立の二次試験日になっていました。

 25日は今年度から英語担当として新規出講することになった塾の授業に行って参りました。けっこう遠方なので、帰りの電車の中で、twitter上で流れてきた東大の現代文【一】に目を通し、解答を作ってみました。

 速報と言うことで、解答と簡単なコメントだけ示してみます。

 巷では一行30字程度と言われていますし、小さい字で書くのもどうかと思うのでできるかぎり短くしようと心がけているのですが、推敲するいとまもなく、とりあえず字数はあまり気にせず。東進の林修氏は、つめつめにして書くことを推奨していますし、それでちゃんと点数が出ますので、赤本や青本ほか三大予備校の30字前後に対する拘泥は、講師の単なるくだらない自己満足とプライドに過ぎないと思います。40字以上で書くのであれば、東大現代文の難度は一気に下がり、普通の入試問題と化します。そして、受験は仁義なき点取りゲームなのだから、それでよろしい。

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